TS-130V 修理

P1080335.JPG

今も現役の FT-8 マシン TS-130V。しかし最近支障がでてきた。

1. AF ゲイン ガリオーム

2. 高い周波数で出力低下。7MHz でも時間が経つと出力低下。

3. VFO にバックラッシュあり

特に2は致命的。今までアンテナが 7MHz しかなかったので気が付かなかったが14や18で送信するとほとんど出力が出ない。さらに最近は 7MHz で FT-8 で送信していると3局目あたりで出力が落ちてくる。

修理のポイント

  1. 電解コンデンサもなるべく交換
  2. リレーは分解清掃
  3. バンド切り替えSWも清掃
  4. サービスマニュアル見て電圧等調整
  5. 7MHz クリスタルのため C33 20pF を 5pF に変更。
  6. WARC バンド送信
1 は結局面倒でやらずじまい。
2 も分解できずそのまま
3 はサンハヤトのクリーナーできれいにした。
4 もできるものは行った。高周波のSGが無いとフィルタ回りは何もできない。
5 も交換し、7.041MHz に設定できた。
6 は既に改造済みであった。参考 https://ameblo.jp/osamu-1961/entry-12468150716.html?frm=theme

2SC460B

2SC460B は劣化する、とどこのページを見ても書いてあるので 2SC1675K に交換 (AliExpress の 1000個$15 にするか悩んだが、30個 600円で落札した。)

パッケージが半丸のものは改良品なので交換はしない。角型のは要交換。

https://ja.aliexpress.com/item/32729378611.html?spm=a2g0o.cart.0.0.18183c00Jsrr1z&mp=1

と、思ったがすべて角形であった。

参考

あの2SC460ランクB互換品 https://bunshiro.love/?p=5072

足に注意する。
  • 2SC460B 裏面から ECB (正面は C460 と書いてある印刷面につき注意)
  • 2SC1675K 正面から ECB
交換作業:
TRは合計 16個ある。
  • VFO Unit 1個 Done.
    P1080341.JPGVFO の中身を初めて見た。回路的には簡易だが、ギアの仕組みは複雑でとても素人は作れない。バックラッシュの原因はギアの減りのようであった。ギア位置をずらせば治りそうだが、ギアを固定しているネジが固くて外れなかった。振動対策のためか、コイルを固定しているネジなどもかなり固かった。
  • AF-GEN Unit 2個 交換。右はクリスタル使用のため交換した C33 (ソケットのすぐ左)。
    P1080352.JPG P1080354.JPG
  • PLL Unit 11個 あるが、Q10のみ交換。他は混み入っていて断念。ペンチで壊して足をフリーにすればとれるかも知れぬが、そこまでやる気力がない。外した TR の hfe を測るとどれも 60 程度はあった。足のメッキもそれほど黒ずんでいるものはないので、あまり劣化していない模様。
  • P1080358.JPGP1080346.JPGしかし出力低下しているのはどこかに問題はある。
  • CAR Unit 2個。これも見た目大丈夫そうなので交換せず。

P1080373.JPG

FILTER Unit なし、PROCESSOR Unit なし、SWITCH(A) Unit なし、SWITCH(B) Unit なし、Counter Unit なし、RF Unit なし、FINAL Unit なし

結局4個しか交換しなかった。1000個買わなくて良かった。

P1080381.JPG

AF-GEN と PLL ユニットのTR交換後、周波数表示がでなくなってしまった。外部VFO は出る。VFO に電圧が行かなくなってしまったようなので、コネクタ回りをぐりぐりしていたら復活した。が、今度は FIX を押しても水晶の周波数が出ない。AF-GET の水晶回りのコネクタをチェックしていたら、J1 と J2 は基盤側は共通のピンヘッダになっているのだが、ピン数が1個多く、J1 と J2 がずれて刺さっていることが判明!。これじゃあ動かないはずだ。

P1080375.JPG

正しく直して果たして動くか。なむさん、動いた。FIXで水晶の周波数が出るようになった。コネクタさし間違いでよく壊れなかったものだ。何かダメージはあったかもしれないが。。

ダウンロードしたサービスマニュアルをみながら調整

1 の Power supply voltage. でさっそく躓く。J4, 7P は 3.8V となっているが電源電圧と同じなのが正しい。なんで 3.8V になっているのだろう。

他、あまりかけ離れた値になっているところはなかったが、ファイナルのバイアス電流はずいぶん低い値になっていた。定格の 100mA に合わせて出力を調整したら 14MHz でも 15W 程度は出るようになった。

P1080379.JPG

AFゲインのボリュームもスプレーでごまかしたが少しガリオームは改善された。とりあえず元に戻せてほっとした。

P1080380.JPG

ついでに R-600 も中が埃まみれだったので掃除した。

P1080382.JPG

しかし、蓋を閉めるときに前面パネルのプラスチックにひびをいれてしまった。修理というのはあちこちに地雷が落ちているものだ。ひと様の品物を修理するのは大変なことだと思う。