アナログ愛 ELPA ER-21T

オークションで YAESU FRG-7 をウォッチリストに入れているが、最近は出品が少なく、程度の良いものは2万を超える値段が付く。
受信しかできないのにどうして無線機より高値になるのだろうか?そんなことも思うが、これは需要の差によるものだろう。自分も今は
無線機より受信機や受信回路に興味がある。昔ハムをやっていたとしても、再び電波を出すというのはちゃんとしたアンテナを立てる必要もあって敷居が高い。電源も必要だったりする。
FRG-7 と一緒に他に出品されている色々なラジオがオークションのページに出てくるが、先日 ELPA ER-C55T というポータブルラジオを目にした。
これはバリコンでありながら周波数はデジタル表示という稀有な方式のポータブルラジオだ。デジタル表示のラジオならば選局回路はほぼPLLが相場だけど、これはかつてのBCLラジオ松下プロシードなどを彷彿とさせる構成のラジオなのであった。もちろん無線機も一時期はアナログVFO+デジタル周波数カウンタの構成のものが市販された。私が所有している TS-130V や FT-101Z がそうだ。私はアナログVFO+デジタル周波数カウンタの無線機が大好きだ。最初に買った無線機は IC-251 で、これは PLL を使ったデジタルVFOであり VFO をぐるぐる回すと周波数は完全にダイヤルに比例して機械的に表示される。が、高校に入ってから仲間のリグ FT-101ZSD を見てびっくりした。VFO をぐるぐる回すと周波数はとびとびに変化するではないか。これは周波数カウンタで VFO の出力周波数を読み取って表示しているからだ、と直観的にわかったが、IC-251 のそれとあまりに違う感じであった。そしてなぜかとてもその方式が無線機らしく見えた。実際その FT-101ZSD は IC-251にはない「無線機」という風格があり、アナログVFOの機構もそれにマッチしていた。それからお金を貯めて IC-251 を売って TS-820V を購入した。この無線機はダイヤルの直読メモリの 100kHz の桁が変化して表示される、というギミックがあり、かつデジタルカウンタの表示も付いていて、この方式の好きな人間にとっては最高にクールな無線機だった。
話を戻して、ELPA ER-C55T を物色したがなかなかいいものは無かった。が、その前モデルの ER-21T というのがあり、新品で手ごろな値段であったため購入し、今日届いた。仕様は ER-C55T とほぼ同一だが、スピーカーの直径が 5mm 違う。あと、電池持続時間が大きく異なり、AMスピーカー再生時で C55T が 35時間、21T は90時間となっている。この差はどこから? 短波帯は8分割されていて、周波数範囲は仕様では SW4 が 7.10MHz - 7.30MHz というものである。もう少しでアマチュアバンドも入るのに、と思ったが、そこはバリコン方式の良いところで実際には下は 6.9MHz ぐらいから入る。まあ SSB は復調できないが。スリープタイマーも付いているので今夜はこれで寝落ちしよう。
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