CWピッチ

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IC-7400 には CW PITCH という小さいボリュームが付いています。あまり気にしたことはなかったのですが、ALL JA コンテストでどうも CW で相手からの応答が悪いので説明書などを読んでいたら、これはCWの受信トーン周波数を変更するもの、と書いてあり驚きました。大昔のリグにはありませんでした。私はCW を自作のデコーダーで読ませていますが、ゼロインとは 800Hz でやるものと思っていたので、AF入力も 800Hz に設定した BPF でバッサリ切っています。なので、CW PITCH でトーンが変わってしまうと、受信周波数も変わってしまいます。もう一台のTRで送受信周波数が同じになるように CW PITCH ボリュームを調整したら応答も良くなった感じがします。機能をオフにできればわざわざそんな調整は必要ないと思いますが、オフにすることはできない。最近のリグにはだいたい付いてるらしいですが、知らずにずれていると困るんじゃなかろうか。相手が狭いフィルタを使っていたら気が付かなそうです。
(追記)
上記に関しては私の理解が間違っていました。CW PITCH は単にAF受信音として聞こえる周波数を変化させるものと思いましたが、そうではなくて BFO 周波数そのものを変化させる機能でした。つまり 800Hz に設定しておけば 800Hz に聞こえたときにゼロインしていて、400Hz に設定していれば 400Hz に聞こえたときにゼロインになるという。以下、7MHz ぴったりに送信周波数をあわせた CW 送信機からの信号を受信してみた結果です。
[IC-7400]
CW PITCH=800Hz のとき AF 出力が 800Hz になる周波数
LSB 7.000.80
USB 6.999.20
CW 7.000.00
CW PITCH=400Hz のとき AF 出力が 400Hz になる周波数
LSB 7.000.40
USB 6.999.60
CW 7.000.00
ということで確認できました。
ところで IC-7400 は CW モードで真の送信周波数を表示していますが、旧型リグでも確認してみます。
[TS-130V]
CW/LSB 6.999.2
USB 7.000.8
つまり BFO fi+0.8KHz が混合されて CW モードにすると LSB 側で復調される。
[FT-101Z]
CW 7.000.0
USB 6.999.2 (受信音は同じトーンのまま周波数表示のみ変わる)
LSB 7.000.8
トリオと逆で fi-0.8KHz、CW モードは USB 側で復調。
BFO の位置関係というのも奥が深いということでした。
参考:
ダイナミックハムシリーズ~HFトランシーバー&HFバンド活用 p157
電信受信機のブロック図