「東京へ行こう」~アマチュア無線の登場するドラマ

昔、アマチュア無線が劇中に登場するドラマはたまにありました。以前VHSテープをMPEGにデジタル化したファイルを先日整理していたのですが、こんなドラマがありました。

水曜グランドロマン「東京へ行こう」(日本テレビ/放送日:1991年9月18日)

脚本=関根俊夫 演出=高井牧人

主人公(川谷拓三)は釧路の漁師ですが、減船のため船を降りなければならず、仕事を見つけるため一家で東京へ行くことにする、といった話です。無線をやっているシーンが最初の頃にでてきます。

奥さん(木の実ナナ)が夫に襖越しに話しかけるシーン。

返事がないので、奥さんが襖をガラッと開ける。

旦那は縦振り電鍵でCWを打っていたのでした。
押入れの下半帖をシャックにして、ヘッドホンしてCWを打っている、という場景が非常にマニアックで、アマチュア無線をやっている人でなければこういうシーンを入れることはできないと思います。主人公は船舶の通信をやっていて趣味にもした、という設定だったのかも知れません(船上のシーンは出てこないです)。

奥さんの小言に「うるさい!」と怒鳴って川谷拓三は襖をバン、と閉めて無線を続ける、というところでこのシーンは終わります。
アマチュア無線が主人公の趣味として、このようなマニアックな形で取り入れられているドラマを他に見たことがありません。無線が趣味である必然は無く、別の趣味でも成り立つドラマなのですが、寡黙な主人公の唯一の趣味、みたいなものを演出する意図かも知れません。Phone でなく CW にしたところにそれが出ている気がします。このシーンを目にした当時のハムは食い入るように見たことでしょう。